企業対応事例集 - 化学品×REACH

🏢 化学品×REACH 企業対応事例

この規制テーマに関する各企業の具体的な対応状況、戦略、直面する課題を整理しています。

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欧州化学物質規制(REACH規則)

管轄・地域欧州連合 (EU)
主要タイムライン2007年施行。SVHCリストは年2回更新・順次追加。
主な規制対象・影響範囲EU域内で製造・輸入されるすべての化学物質(年間1トン以上)、SVHC(高懸念物質)の届出・情報伝達等
GRI 規制サマリ

化学物質安全性管理のグローバルスタンダード。成形品(アーティクル)中のSVHC含有量調査(0.1wt%)など、サプライチェーンの透明化が必須条件です。

📊 規制対応ポジショニング・マトリクス(GRI分析)

企業PositionResponse TypeSC ImpactGRI Insight
BASF移行中代替素材転換High (高)SVHCリスト追加によるポートフォリオ影響に対応。CSSに基づく再評価を実施。
Dow様子見・注視製品適応Medium (中)唯一の代表者(OR)制度を通じたEU REACH適合管理と米欧ギャップ調整。
三菱ケミカルグループ様子見・注視製品適応Medium (中)欧州現地法人をORとして活用。グループ内データ統合と主要事業影響回避が課題。
住友化学様子見・注視製品適応Medium (中)グローバル展開に伴う登録推進。経営再編下での適合ガバナンス維持が課題。
キヤノン様子見・注視製品適応Medium (中)成形品製造者としてchemSHERPAを用いたSVHC情報伝達を徹底。
東レ移行中代替素材転換Medium (中)フッ素フリー撥水剤移行や炭素繊維プロセス開示推進。長期再認証タイムラインが課題。
Evonik移行中代替素材転換Medium (中)特殊ポリマー等の適合管理。ニッチ製品登録コストと顧客のライン再認証が課題。

BASF

BASF SE
ドイツ化学・素材
適応・整備中

⚡ 規制強化下でのコスト削減改革と製品ポートフォリオ戦略の適合

BASFはドイツの総合化学メーカーとして、EU REACHの主登録義務(2018年完了済み)を果たした後も、SVHCリスト拡大・認可手続き・制限(Annex XVII)という三層の継続的な規制対応を余儀なくされている。2026年2月4日の更新でSVHC候補リストは253物質となり(n-ヘキサンとBisphenol AFが追加)、追加物質を0.1wt%超含む成形品の生産者・輸入者は、REACH第7条第7項により収載から6か月後の2026年8月4日から、ECHAへの届出(第7条第2項)の対象となった。REACH規則の全面改正(Recast)は、欧州委員会が2026年4月27日に見送りを表明した(欧州議会 Legislative Train では「Blocked」、2026年9月20日更新時点)。PFAS包括制限案(REACH附属書XVIIの制限として審議中)については、BASFはすでに塗料・コーティング分野向けに非フッ素系代替添加剤(Efkaシリーズ等)を上市済みで、規制への先行対応を実践している。一方でBASFは、同社の説明(2026年2月27日)によれば、2025年末に年間約€1.7Bのコスト削減ランレートを達成し、2026年末には年間€2.3Bのコスト削減を見込む構造改革を同時に進めており、REACH対応コストと収益性向上の両立が経営の核心課題となっている。

🎯 主な取り組み・施策

  • SVHC253物質(2026年2月時点)への対応:n-ヘキサン・Bisphenol AF(BPAF)を含む最新追加物質のSDS更新・SCIP通知への対応(ECHAへの届出は第7条第7項により2026年8月4日から)
  • PFAS代替添加剤の先行上市:塗料・コーティング分野向けに非フッ素系代替添加剤(Efkaシリーズ:変性シリコーン・ポリアクリレート・スルホサクシネート等)を展開——REACH附属書XVIIのPFAS制限案への対応
  • TripleSS(Sustainable Solution Steering)メソッドでPFAS含有製品を「貢献・適切・移行必要・再設計必要」の4段階に分類・管理し段階的に廃止
  • 同社の説明(2026年2月)によれば、2025年末に年間コスト削減ランレート約€1.7Bを達成し、2026年末には年間€2.3Bのコスト削減を見込む
  • World Steel Association・ISO標準化活動等への参画を通じ、化学物質の国際的な「見える化」基盤の整備を主導

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •SVHCリスト拡大ペースの加速と対応負荷:SVHC候補リストは通常年2回の更新で拡大する(2026年は2月の1回のみ、次回は2027年6月の見込み)。多品種・大量製品ポートフォリオを持つBASFは、各更新に対するSDS改訂・SCIP通知・顧客情報伝達・代替品開発という4層の対応コストが累積的に増大している。
  • •REACH改正見送り後の動向:欧州委員会は2026年4月27日にREACH規則の全面改正(Recast)の見送りを表明した。登録・認可プロセスの大幅な変更による再登録コストの懸念は後退したが、SVHC候補リストへの追加や附属書XVIIの制限の追加には引き続き対応が必要となる。
  • •代替品の性能・認証ギャップ:SVHC物質の代替品(特にEfkaシリーズ等の非フッ素系添加剤)が既存製品と完全同等の性能を持たない用途が存在し、顧客の製造ライン再認証に数年単位の時間と費用が必要。特に半導体・自動車・航空宇宙分野では認証期間が長く、代替品への切り替えが困難なケースがある。
  • •化学物質持続可能性戦略(CSS)・SAfEとの連動:EU化学物質持続可能性戦略(Chemicals Strategy for Sustainability)に基づく施策・SAfE(Sustainable and Safe for Europeans)フレームワークとの整合が、中長期的な製品開発戦略の方向性を左右する。複数の規制改正が同時進行する中での対応優先順位の設定が難しい。

【GRI編集部コメント】

BASFのREACH対応は「総合化学メーカーが規制を競争優位の源泉に変える試み」として評価できます。TripleSS(Sustainable Solution Steering)という独自メソッドでREACH規制対応を製品ポートフォリオ転換の戦略ツールとして体系化していること、Efkaシリーズという非フッ素系代替添加剤を先行上市していることは、規制を「コスト」ではなく「製品革新のドライバー」として位置づけていることを示しています。しかし規模の大きさがゆえのREACH対応負荷も明確です。SVHCリストが253物質(2026年2月)に達する中、多品種大量製品ポートフォリオ全体への対応コストは増大の一途をたどっています。GRIを読む日本の化学・素材メーカーにとっての示唆は、BASFが採用するTripleSメソッドの構造——製品を「問題あり」「移行必要」等に分類し系統的に代替を進める——が、日本企業の自社製品のREACH対応管理に直接適用できる参考モデルだという点です。EU市場への製品供給を行うすべてのサプライチェーン参加者が、自社製品のSVHC含有状況を把握しSCIPデータベースへの登録体制を整備することが急務となっています。

SVHC候補リストは通常年2回更新されます(2026年は2月の1回のみ、次回は2027年6月の見込み)。最新情報はECHA公式サイトおよびBASF公式REACHポータルをご確認ください。

Dow

Dow Inc.
米国化学・素材
適応・整備中

⚡ 欧州3拠点の閉鎖と代理人制度を活用したREACH義務履行維持

Dowは米国ミシガン州ミッドランドに本拠を置く世界的なポリマー・素材・特殊化学品メーカーで、EU REACH対応では「唯一の代表者(Only Representative:OR)」制度を活用し、欧州域内の子会社・代理人が登録義務者として機能する体制を整備している。2025年は石油化学業界の「ローワー・フォー・ロンガー(低迷長期化)」局面に対応するため、ドイツ・ベーレン(エチレン設備)・ドイツ・シュコパウ(クロルアルカリ・塩ビ)・英国・バリー(シロキサン)の欧州3拠点の閉鎖を決めた(同社の説明によれば、2025年6月30日の取締役会で承認。閉鎖はバリーが2026年半ば、ベーレンとシュコパウが2027年第4四半期の予定で、2025年第2四半期に$330M〜$360Mの資産評価減・除却を計上)。また同社は2025年4月、ポリウレタンを中心とする欧州資産の見直しの対象を拡大した。カナダ・フォート・サスカチュワンのPath2Zero(同社はScope1・2の排出について世界初のネットゼロの統合エチレンクラッカー・誘導品拠点になるとしている)の建設も、市場環境が改善するまで延期した(2025年4月)。REACH対応の観点では、SVHC候補リストの拡大(2026年2月時点253物質)とPFAS包括制限案の審議が続く。REACH規則の全面改正(Recast)は、欧州委員会が2026年4月27日に見送りを表明した(欧州議会 Legislative Train では「Blocked」、2026年9月20日更新時点)。

🎯 主な取り組み・施策

  • 欧州3拠点の閉鎖を決定(同社の説明によれば2025年6月30日の取締役会で承認)——Böhlen(ドイツ)エチレン設備・Schkopau(ドイツ)クロルアルカリ・塩ビ資産(2027年第4四半期に閉鎖予定)、Barry(英国)基礎シロキサン設備(2026年半ばに閉鎖予定)。2025年第2四半期に$330M〜$360Mの資産評価減・除却を計上
  • 欧州資産の見直し:同社の説明によれば、ポリウレタンを中心とする欧州資産の見直しの対象を2025年4月に拡大
  • Path2Zero(カナダ・フォート・サスカチュワン):同社の説明によれば、2025年4月に市場環境が改善するまで建設を延期し、2025年の設備投資計画を$3.5Bから$2.5Bに削減
  • OR(Only Representative)制度によるREACH登録義務の履行:欧州域内の代理人・子会社を通じてSVHC通知・SCIPデータベース登録・SDS更新を継続実施
  • PFAS代替材料開発:コーティング・封止材分野でREACH附属書XVIIのPFAS制限案に向けた非フッ素系代替品の開発・展開を継続

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •欧州資産縮小後のOR体制維持と効率化:欧州拠点閉鎖・売却が進む中で、EU向け輸出を継続する製品ラインのREACH登録・SVHC対応・OR体制を効率的に維持することが重要課題。売却事業に係る登録権の移転・継続コストの最小化が必要。
  • •PFAS包括制限案への対応:RACの最終意見(2026年3月3日採択)とSEACの最終意見(2026年末までに採択予定)を受けて、欧州委員会が制限案を作成し、REACH委員会で表決する(時期は未定)。Dowのシリコーン・コーティング・封止材製品群の中でPFASを含む品目の特定と代替品の準備状況が欧州市場アクセスを左右する。
  • •REACH改正見送り後の対応:欧州委員会は2026年4月27日にREACH規則の全面改正(Recast)の見送りを表明した。登録・認可プロセスの大幅な変更への対応負担は後退したが、SVHC候補リストへの追加や附属書XVIIの制限の追加には引き続き対応が必要。
  • •Path2Zero延期とCFP開示要求の増大:欧州顧客からのCFP・スコープ3排出量開示要求は化学品サプライヤーにも波及しつつある。Path2Zero完成によるネットゼロ製品の供給能力が当初計画より遅れる間、欧州顧客からの「低炭素素材調達」要求への対応が課題となる。

【GRI編集部コメント】

DowのREACHカードは「欧州市場への関与度を選択的に縮小しながら規制対応を継続する」という戦略の現実を示しています。2025年の欧州3拠点の閉鎖決定と欧州資産の見直しは、石油化学のダウンサイクルへの対応という経済的合理性に基づくものですが、結果としてREACH対応義務の縮小にも繋がります。BASFが「EU域内の製造者として規制を競争優位に転換する」戦略をとるのと対比すると、Dowは「コスト構造見直しの中でREACH対応を最小コストで維持する」という現実的なアプローチをとっていると言えます。GRIを読む日本の化学・素材企業にとっての示唆は、OR(唯一の代表者)制度の活用方法です。EU域内に製造拠点を持たない日本企業がEU向けに化学品を輸出する場合、Dowと同様にOR制度を活用してREACH義務を履行する構造となります。欧州事業の縮小・拡大に伴うOR体制の見直しは、事業戦略とのセットで計画する必要があります。

欧州資産の見直し・Path2Zeroのスケジュール・PFAS制限案の審議状況は変化します。最新情報はDow公式IRおよびECHA公式サイトをご確認ください。

三菱ケミカルグループ

Mitsubishi Chemical Group Corporation
日本化学・素材
適応・整備中

⚡ ノンコア事業の整理・売却とREACH登録の移転管理

三菱ケミカルグループは「スペシャリティへの集中」を新中期経営計画2029の基本方針に掲げている。同社の説明(2025年4月)によれば、ノンコア事業の整理・売却をFY24〜29に売上収益相当で約4,000億円規模で進める目標で、うち約2,800億円は意思決定済み。石化事業の再編(3社間協議進行中)・炭素繊維の汎用品縮小(広島大竹工場ラージトウライン停止・米国レギュラートウ縮小)・MMA事業の体質改善・染色加工事業撤退(2026年3月末)等が主要な構造改革施策。一方で残す事業は半導体材料(フォトレジスト・高純度化学品・高機能フィルム)・炭素繊維複合材(航空・ロボタクシー向け高品位品・CPC社コンポジット)・高機能エンプラ・MMAという4軸に絞り込み、同社は2029年度のコア営業利益2,360億円を目標とする。EU域外の製造者がEU向けに化学品を輸出する場合、REACH規則第8条のOnly Representative(OR)を通じて登録する方法があり、事業整理・売却に伴うREACH登録の移転管理が実務課題となる。

🎯 主な取り組み・施策

  • ノンコア事業の整理・売却:同社の説明によれば、FY24〜29に売上収益相当で約4,000億円規模を目標とし、うち約2,800億円は意思決定済み(2025年4月時点)。染色加工事業(トーセン)2026年3月末撤退・石化事業再編(3社間協議進行中)
  • 炭素繊維の川上能力適正化:広島大竹工場ラージトウライン停止・米国ワイオミング州レギュラートウ生産停止。川下コンポジット・パーツ(CPC社)への投資集中で単月黒字転換を実現
  • 2025年12月:高機能炭素繊維(レギュラートウ・高級品種)の日米生産能力を2027年にかけて2倍に増強(スポーツカー・ロードバイク・ロボタクシー向け)
  • REACH登録の移転管理:事業売却・移管に伴い、REACH登録者(EU域外の製造者の場合はOR)の変更管理が必要になる
  • 半導体材料(フォトレジスト・高機能フィルム・高純度化学品)向けを「超高純度・超低異物な材料」として戦略投資軸に位置づけ——Tier1サプライヤー向け製品群でREACH対応を優先

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •事業整理に伴うREACH登録権移転の実務:事業整理に伴い、石化・染色・その他売却事業に関連するREACH登録物質の共同登録体(SIEF)内での立場変更・ORの変更・SDS発行者の変更が必要。特に石化事業JV化では関連物質登録の帰属先が複数法人に分散するリスクがある。
  • •汎用品縮小後の少量多品種REACH対応コスト上昇:汎用・大量品を整理した後に残るスペシャリティ品は少量多品種構造となり、1品目あたりのREACH登録維持コスト・SVHC監視コストの相対比率が上昇する。採算の低い特殊グレードについては製品撤退判断と連動したREACH登録廃止の検討が必要になる場合がある。
  • •炭素繊維複合材の新規顧客(ロボタクシー等)向けREACH対応:ロボタクシー・次世代モビリティ向けのCFRP採用拡大に伴い、新顧客からのREACH適合証明・SDS・SCIP情報提供要求が増加する。特に欧州市場向けには、成形品(アーティクル)としての炭素繊維複合材中のSVHC含有管理と顧客への情報伝達義務(0.1wt%閾値管理)が発生する。
  • •MMA市況リスクとREACH固定コストの両立:MMA市況のボラティリティはコストリンク契約拡大で緩和できるが、REACH登録維持コストはMMA市況に関わらず固定的に発生する。市況低迷期におけるMMAのREACH対応コスト負担が採算を圧迫するリスクがある。

【GRI編集部コメント】

三菱ケミカルグループのREACHカードは「大規模構造改革とREACH対応の連動」という日本企業特有の課題を示しています。ノンコア事業の整理は単なるコスト削減ではなく、結果としてREACH対応ポートフォリオの「選択と集中」にもなっています。売却・移管する事業に関連するREACH登録権の移転管理は、事業戦略としての「選択」と規制上の「義務継続」が交差する実務上の難所です。GRIを読む日本の化学・素材メーカーにとっての示唆は、OR(唯一の代表者)制度の運用は「維持」するだけでなく「事業変化に伴って動的に管理する」という視点が必要だという点です。三菱ケミカルグループが事業売却を進める中でREACH登録の体制をどう維持・再設計するかは、日本の総合化学メーカーが構造改革を進める際の共通課題として参照価値があります。なお、REACH規則の全面改正(Recast)は2026年4月27日に見送りが表明されています。

事業整理・石化再編の進捗は変化します。最新情報は三菱ケミカルグループ公式IRおよびECHA公式サイトをご確認ください。

住友化学

Sumitomo Chemical Co., Ltd.
日本化学・素材
適応・整備中

⚡ 構造改革推進とICT部門への集中によるREACH要件適合の維持

住友化学は、2024年度(2025年3月期)に親会社の所有者に帰属する当期利益386億円を計上した(同社の中期経営計画資料)。同社の開示によれば、ペトロ・ラービグ社株式約22.5%をサウジ・アラムコに702百万米ドルで売却する契約(2024年8月7日)に基づき、2025年10月8日に売却が完了し、持分比率は37.5%から15%に低下した(売却資金は全額ペトロ・ラービグ社に拠出)。2025〜2027年度の中期経営計画(スローガン「Leap Beyond~成長軌道へ回帰~」)では「アグロ&ライフ(農薬・医薬)」と「ICT&モビリティ(半導体材料・偏光フィルム)」を成長ドライバーとして経営資源を集中させる一方、石化事業の国内・シンガポールでの構造改革と偏光フィルム事業の抜本的再編を継続している。EU REACH対応では、農薬・半導体材料・偏光フィルム関連材料という異なる規制体系にまたがる対応が必要となる。農薬有効成分はREACH管轄外(PPPR/BPR適用)だが、農薬製剤の溶剤・添加剤・安定化剤はREACH登録対象として継続的な管理が必要であり、半導体プロセス材料・ディスプレイ材料は情報電子化学の主要収益源として欧州市場へのアクセス維持がREACH対応の直接的な事業条件となっている。

🎯 主な取り組み・施策

  • ペトロ・ラービグ社株式の一部売却:同社の開示によれば、約22.5%をサウジ・アラムコに702百万米ドルで売却する契約(2024年8月7日)に基づき、2025年10月8日に完了。持分比率は37.5%から15%に低下(売却資金は全額ペトロ・ラービグ社に拠出)
  • 2025〜2027年度中期経営計画:アグロ&ライフ・ICT&モビリティへ経営資源を集中。同社は2027年度にコア営業利益2,000億円・ROE8%・ROIC6%・D/Eレシオ0.8倍台を目標とする
  • 偏光フィルム事業の抜本的構造改革実施(2025年):大型LCD用偏光フィルムの価格競争激化に対応し生産体制を見直し
  • 農薬:EU農薬規制(PPPR)の動向をモニタリングしながら欧州での農薬登録を維持・拡大
  • 農薬製剤添加物・半導体材料・偏光フィルム関連材料のREACH登録・SVHC管理と、SCIP(廃棄物枠組み指令に基づく情報提供)への対応

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •石化再編進行中のREACHガバナンス維持:ペトロラービグ持分売却(37.5%→15%)・国内石化構造改革の進行に伴い、関連物質のREACH登録者・SDS発行者の変更管理が必要。石化事業の売却・縮小でREACH義務が第三者に移転する場合の登録権管理が実務上の課題。
  • •偏光フィルム事業規模変更に伴う登録トン数見直し:LCD偏光フィルムの生産規模見直しに伴い、関連物質のREACH登録トン数帯が変わる可能性がある。登録トン数の変更届(更新)と登録維持コストの最適化が必要。
  • •農薬PPPR改正とREACH添加剤管理の同時対応:欧州農薬規制(PPPR)改正審議が進む中、農薬有効成分の承認管理とREACH対象農薬添加剤の管理を同時に進めるリソース確保が課題。
  • •半導体材料拡大とREACH新規登録コスト:ICT&モビリティへの設備投資集中に伴い欧州向け半導体材料品目が増加した場合、新規物質のREACH登録コストが発生する。新規品目の事前のREACH登録要否判断と費用対効果評価が重要。

【GRI編集部コメント】

住友化学のREACHカードは「業績回復とREACH対応の継続性」という対比を示しています。経営再建の過程でも、EU向け輸出事業(半導体材料・農薬・偏光フィルム)のREACH適合は事業継続の前提として維持されてきました。「Leap Beyond」中計でアグロ&ライフとICT&モビリティへ経営資源を集中することは、REACHの観点でも「対応コストに見合う付加価値の高い製品群に絞り込む」という方向性と整合しています。GRIを読む企業にとっての示唆は、住友化学のような複合事業構造(農薬×医薬×半導体材料×石化)における複合規制管理(PPPR×REACH×EU電池規則)の難しさです。単一規制への対応ではなく、事業ポートフォリオの変化に応じて複数規制の管轄区分管理を動的に更新する体制が、グローバル化学メーカーには不可欠です。ペトロラービグ持分削減・石化再編という大きな構造変化が進む中で、REACH登録の体制が的確に更新されているかは、欧州ビジネスパートナーが安心して取引できるかの判断材料になります。

石化事業再編・農薬規制の動向は変化します。最新情報は住友化学公式IRおよびECHA公式サイトをご確認ください。

キヤノン

Canon Inc.
日本精密機器・電子機器
適応・整備中

⚡ 情報伝達システムの高回答率達成とグローバル管理体制の構築

キヤノンは複合機・カメラ・半導体露光装置(EUV・ArFを含むリソグラフィ機器)・医療機器という多様な製品群を持つ精密機器メーカーであり、化学品メーカーとは異なる「成形品(アーティクル)メーカー」としてのREACH義務を負う。成形品メーカーの主要な義務は、①SVHC含有0.1wt%超の場合の顧客・消費者への情報提供(Article 33)、②EU/EEA市場に年間1トン超を輸出する成形品中にSVHCが0.1wt%超含まれる場合のECHAへの届出(Article 7(2))、③SCIPデータベースへの通知(廃棄物フレームワーク指令に基づく義務)の三層。同社の説明によれば、2025年時点でサプライヤーからの調査回答の99%超がchemSHERPA経由となっている。トナー・感光体・定着材料というコア技術領域へのSVHC含有は、単純な材料置換ではなくコア技術再設計を意味するため、SVHCリスト拡大の影響は特に重い。半導体露光装置(ASML・Nikon等との市場競争)の欧州顧客向け供給では、REACH適合証明の精度・速度が購買条件の一部となりつつある。

🎯 主な取り組み・施策

  • 同社の説明によれば、2025年時点でサプライヤーからの調査回答の99%超がchemSHERPA経由——業務効率の向上とサプライヤーの管理負担の軽減につながったとしている。回答が難しいサプライヤー向けに日本語・英語・中国語のガイドマニュアルを整備
  • SVHC253物質(2026年2月時点)に対する成形品SVHC管理:BOM(部品構成表)・BOS(物質構成表)の継続的な更新・0.1wt%閾値管理・顧客への情報提供(Article 33)・ECHA届出(Article 7(2))を実施
  • SCIPデータベースへの通知体制の整備:EU廃棄物フレームワーク指令に基づくSCIP通知(2021年1月5日以降義務化)を継続実施。chemSHERPAから取得したSVHC情報をSCIP通知フォーマットへ変換する体制を整備
  • RoHS・REACH・各国化学物質規制の統合管理:同社の説明によれば、IEC62474国際標準データスキームを採用した後、2017年にchemSHERPAの利用を開始。REACH SVHC・RoHS10物質・EU CLP・中国RoHS・各国規制を統合管理
  • 半導体露光装置・医療機器向けのREACH適合証明体制の整備:欧州顧客(半導体メーカー・病院・検査機関)からのREACH適合要求に対し、機器レベルでのSVHC不含有証明・SDS提供体制を構築

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •SVHCリスト年2回更新への迅速対応:SVHC候補リストは通常年2回更新され(2026年は2月4日の1回のみ、次回は2027年6月の見込み)、新規追加物質ごとにBOM全体の影響評価・サプライヤーへの再調査・顧客への情報提供・SCIP通知更新というサイクルが必要。2026年2月追加のn-ヘキサン・BPAFが既存製品のどの部品・材料に含まれるかの精査とSCIP通知の更新が直近の実務課題。
  • •残り1%未満の非chemSHERPA回答サプライヤーへの対応:グローバル展開する中小・海外サプライヤーで調査回答の標準化が遅れているケースへの対応が継続課題。特に中国・東南アジアの裾野サプライヤーのchemSHERPA対応率向上が欧州市場アクセス維持のボトルネック。
  • •コア技術(トナー・感光体)へのSVHC影響時の代替設計コスト:トナー樹脂・感光体・定着材料等のコア技術成分がSVHCリストに収載された場合、代替材料の探索だけでなく画像形成プロセス全体の再設計・性能評価・顧客認証が必要。開発期間は数年単位・コストは数十億円規模になりうる。
  • •SCIP通知からDPPへの移行準備:EU循環経済政策の下で電子機器向けDPP義務化が将来予定されるため、現在のSCIP通知体制とDPPシステムのデータ統合・フォーマット変換への先行投資が必要。chemSHERPAのデータ構造をDPP要件に対応させる技術的準備が中期的な課題。

【GRI編集部コメント】

キヤノンのREACHカードは「成形品メーカーとしての化学物質管理の先進モデル」として評価できます。サプライヤー回答の99%超がchemSHERPA経由という実績(同社の説明、2025年時点)は、数年単位の継続的なサプライヤー教育・システム整備・グローバル展開の成果であり、日本の電機・機器メーカーが国際競争力を維持するための基盤整備として参照価値があります。化学品メーカーと成形品メーカーでは「REACHの義務内容」が本質的に異なることを理解することが重要です。GRIを読む日本の機器・部品メーカーにとっての最重要示唆は、chemSHERPAをサプライチェーン全体に展開する体制の早期構築が、REACH・RoHS・将来のDPP対応を一元化する最もコスト効率の高いアプローチだという点です。また、2026年4月のREACH全面改正(Recast)の見送りは、大規模な登録プロセス変更への即時対応コストが後退した一方、SVHC追加・Annex XVII制限拡大という実務対応は継続するという「安心してはいけない」状況を示しています。

SVHC候補リストは通常年2回更新されます(2026年は2月の1回のみ、次回は2027年6月の見込み)。附属書XVIIの制限の変化は継続します。最新情報はECHA公式サイトおよびキヤノン公式サイトをご確認ください。

東レ

Toray Industries, Inc.
日本高機能材料
適応・整備中

⚡ 半導体向けPFASフリー素材の開発と多層的な化学物質管理

東レは繊維・炭素繊維複合材料・機能化成品(樹脂・フィルム・膜)・環境・エンジニアリングという多セグメントにわたる川上型材料メーカーとして、REACH規制の影響を複数の事業軸から受ける。同社の決算資料によれば、2025年3月期は売上収益2兆5,633億円、事業利益1,428億円(前期1,026億円)となった(中期経営課題「プロジェクトAP-G 2025」は2023〜2025年度)。REACH対応で注目すべき具体的な先行事例として、半導体製造工程の封止プロセスで使用するモールド離型フィルムにPFASを含まない材料を採用した製品を開発・展開した(TORAY REPORT 2025掲載)。同社は、このフィルムが欧州等で規制が検討されているPFASを含まない材料で構成されているとしている。炭素繊維事業では風力発電翼用需要低迷(在庫調整解消途上)とCHGタンク(水素市場拡大スピード遅れ)の影響を受けながら、航空機用途は計画通り拡大。ハンガリーでのバッテリーセパレータフィルム合弁(LG Toray Hungary)はEU電池規則とREACHの両規制が重複する分野として位置づけられる。同社は2026年3月期の見通しに、米国の関税措置による事業利益への影響(▲150億円)を織り込んでいた(2025年5月時点)。

🎯 主な取り組み・施策

  • 半導体製造向けPFASフリーモールド離型フィルムを開発——NANOALLOY®技術を活用し、封止(モールド)プロセスでの金型汚れを従来比1/5以下に抑制しながらPFASを含まない材料で構成。欧州等で規制が検討されているPFASを含まない材料として開発済み(TORAY REPORT 2025掲載)
  • 炭素繊維のリサイクル技術の開発と市場導入に向けた取り組みを強化——力学特性・表面品位を維持可能なリサイクル新技術を開発(2024年8月)。廃炭素繊維のSVHC含有可能性を低減し持続可能な素材循環に貢献
  • LG Toray Hungary Battery Separator Kft.(ハンガリー)——LG Chemとの合弁でEU域内バッテリーセパレータフィルム製造。EU電池規則のBattery Passport対応とREACH成形品SVHC管理の両立が必要な欧州製造拠点
  • 那須工場への新規生産設備投資——xEV(車載)向けフィルムコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム「トレファン®」の新設備を2027年に稼働予定。経済安保法に基づく供給確保計画として認定取得(2024年12月)
  • 低収益事業・会社の構造改革——2024〜2026年度の3年間で政策保有株式を50%(約1,000億円)縮減し自己株取得に充当。ベストオーナーではないと判断される事業は撤退・売却を視野に検討

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •フッ素フリー撥水剤への転換と繊維性能の両立:PFAS包括制限案(SEACの最終意見は2026年末までに採択予定。その後、欧州委員会の制限案とREACH委員会の表決を経る)が成立した場合、欧州向け繊維製品のフッ素系撥水剤の代替が義務化される。耐洗濯性・撥水角・耐久性等の性能で同等の非フッ素系代替品の技術確立と顧客認証が課題。
  • •炭素繊維複合材(CFRP)サプライチェーンの情報連携:航空・宇宙・自動車向けCFRPは多層のプリプレグメーカー・コンポジットメーカー・Tier1サプライヤーを経て最終製品に組み込まれる。各層でのSVHC含有情報の精度管理とREACH成形品情報提供義務の連鎖的な履行が課題。
  • •LG Toray Hungaryでの二重規制対応:EU電池規則(Battery Passport2027年2月)とREACH(成形品SVHC管理・SCIP通知)の双方の義務化スケジュールに合わせた対応体制の整備が必要。欧州域内製造拠点として直接義務を負うため、本社(東レ)の管理体制との連携が不可欠。
  • •SVHC253物質と多セグメント事業への影響評価:2026年2月追加のBisphenol AF(BPAF・フッ素ゴム架橋剤用途)はToray Carbon Fibers Europe S.A.等でのプリプレグ製造に使用されるエポキシ系材料の硬化促進剤として影響する可能性があり、多セグメントにわたる影響評価と優先対応の絞り込みが課題。

【GRI編集部コメント】

東レのREACHカードは「川上型素材メーカーが複数の事業軸でREACH規制と向き合う複合対応の構造」を示しています。最も注目すべき点は、PFASフリーモールド離型フィルムの開発という具体的な先行事例が2025年のIR資料に明記されていることです。単なる「規制対応中」ではなく「規制を先取りした製品開発の成果が出た」という段階にある東レの取り組みは、日本の高機能材料メーカーのREACH対応の事例として参照できます。GRIを読む日本の川上材料・素材メーカーにとっての示唆は、東レのように「PFAS規制をコア製品の技術革新ドライバーとして位置づける」アプローチが、単なる「コスト対応」を超えた競争優位の源泉になりうるという点です。フッ素フリーモールド離型フィルムが半導体製造の封止プロセスで従来品を置き換えられるなら、規制対応と顧客価値の提供が同時に実現します。一方で炭素繊維・撥水繊維・バッテリーセパレータという3事業軸でのREACH対応は、事業規模・製品種類・顧客産業が異なるため、一元的な管理体制だけでなく事業部門ごとの専門対応チームの整備が実務上の要件となります。

SVHC候補リストは通常年2回更新されます(2026年は2月の1回のみ、次回は2027年6月の見込み)。PFAS包括制限案の審議状況・炭素繊維事業の需要回復状況は変化します。最新情報はECHA公式サイトおよび東レ公式IRをご確認ください。

Evonik

Evonik Industries AG
ドイツスペシャリティケミカル
適応・整備中

⚡ 事業再編に伴う高機能素材への集約とREACH要件適合の維持

Evonikはドイツ・エッセンに本拠を置くスペシャリティケミカル企業で、同社の説明によれば、2025年の売上は€14.1B(前年比7%減)、従業員は約31,000人。全社プログラム「Evonik Tailor Made」(2026年6月に2029年までの延長を発表)のもとで、2025年4月1日より従来の4部門体制から「Custom Solutions(イノベーション主導・顧客密着型)」と「Advanced Technologies(技術・効率・コスト競争力主導)」の2セグメントへ再編した。Advanced Technologiesには過酸化水素・シリカ・高機能ポリマー・アミノ酸が集約され、半導体洗浄(H₂O₂)・CMP(ULTRASIL®シリカ)・エンジニアリングプラスチック(VESTAMID®)という複数の高機能材料ラインがREACH規制の影響を受ける。少量多品種のスペシャリティ構造は1製品あたりのREACH登録コスト比率をBASF等の総合化学より高める一方、EU本社企業として業界団体(Cefic等)を通じた規制形成への直接関与——REACH改正・SAfEへの政策意見提出——という日本・米国系企業にはない優位性を持つ。

🎯 主な取り組み・施策

  • 2025年4月1日:「Evonik Tailor Made」構造改革に基づき2セグメント体制移行——Custom Solutions(塗料添加剤・化粧品・医薬品向けニッチ製品)とAdvanced Technologies(過酸化水素・シリカ・高機能ポリマー・アミノ酸)
  • 「Evonik Tailor Made」の延長(2026年6月発表):同社の説明によれば、全社的な再編・コスト削減策を2029年まで継続し、約3,200人(うちドイツで2,150人)を削減。ポリエステル事業から撤退
  • 過酸化水素(H₂O₂)の製造能力を中国・韓国向けに拡張——半導体洗浄用高純度H₂O₂の新市場へ展開
  • シリカ(ULTRASIL®)のネットワーク最適化:日本の金属酸化物工場ランプアップとシリカ事業の資産最適化が2025年業績でプラス貢献
  • EU本社企業としてCefic・DUCC等業界団体を通じたREACH・SAfEへの政策意見提出を継続——EU規制形成プロセスへの直接関与を維持

⚠️ 継続する課題・リスク

  • •少量多品種製品のSVHC追加ごとの対応コスト:年2回のSVHCリスト更新に伴うSDS改訂・SCIP通知・顧客情報伝達コストが少量製品では相対的に高く、採算悪化による製品撤退のリスクを伴う。特に航空宇宙・先端医療グレードでは代替品の顧客側再認証に多大な期間と費用がかかる。
  • •REACH改正見送り後の対応:欧州委員会は2026年4月27日にREACH規則の全面改正(Recast)の見送りを表明した。大型登録物質(過酸化水素・シリカ等)の登録・認可要件の大幅な変更への対応負担は後退したが、SVHC候補リストへの追加や附属書XVIIの制限の追加には引き続き対応が必要となる。
  • •構造改革の完了と業績回復の両立:同社の説明によれば、「Evonik Tailor Made」などの効率化策で2023年10月から2026年末までに約2,800人を削減する計画に加え、2026年6月に2029年までの延長(約3,200人の削減)を発表した。2026年の調整後EBITDA見通し€1.7〜2.0Bの達成とREACH対応継続コストの両立が財務上の課題。
  • •事業売却・撤退後のREACH登録の移転:売却・撤退する事業に関連する物質のREACH登録者・SDS発行者・SCIPの情報提供義務者の変更が必要。移転後の義務継続性の管理と顧客への情報提供の継続性確保が実務上の課題。

【GRI編集部コメント】

EvonikのREACH対応は、「スペシャリティ化学の少量多品種構造」という制約の中で規制対応コストを最小化しながら、EU本社企業としての規制形成参加という優位性を活かすというバランスの問題です。「Evonik Tailor Made」構造改革は単なるコスト削減ではなく、SVHC・REACH対応が相対的に困難な汎用・低マージン品を切り離し、REACH対応のROIが高いスペシャリティ領域(バイオサーファクタント・高純度H₂O₂・高機能ポリマー)に経営資源を集中させるという選択でもあります。GRIを読む日本の化学・素材メーカーにとっての示唆は、Evonikが半導体洗浄(H₂O₂)・CMP(シリカ)という日本企業が多く存在する分野でREACH対応を競争優位のベースとしている点です。日本の半導体材料・電子材料メーカーがEU市場にアクセスする際、Evonikのようなドイツ系企業と対比してREACH登録体制・SVHC含有管理・SCIP通知の品質が調達選定の差別化軸になりつつあります。

SVHC候補リストは通常年2回更新されます(2026年は2月の1回のみ、次回は2027年6月の見込み)。Evonikの構造改革の進捗は変化します。最新情報はECHA公式サイトおよびEvonik公式IRをご確認ください。