【規制動向】日本、環境影響評価法施行令の改正を閣議決定 ― 火力・地熱・風力の建替事業の要件を規定、2027年4月1日施行へ
環境省は2026年10月9日、環境影響評価法施行令の一部を改正する政令と、環境影響評価法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令が同日閣議決定されたと発表した。2025年6月に成立した改正法(令和7年法律第73号)は、既存の工作物を除却または廃止し、同一または近接した区域に同種の工作物を新設する「建替事業」を実施する者が作成する計画段階環境配慮書(建替配慮書)の記載事項を定めている。改正法(附則第1条本文の規定)と施行令の改正は、いずれも2027年4月1日に施行される。閣議決定の時点で、公布日は示されていない。 施行令に新設される第7条の2は、火力発電所・地熱発電所・風力発電所について、近接区域を既存工作物が設置されている区域の境界から300メートルまでの区域と定める。新設する発電所または発電設備の出力の、既存の出力に対する比が範囲内であることも要件で、火力は2.0、地熱は1.3、風力は1.1である。環境省は、既存工作物が設置されている区域を、火力は発電所敷地、風力は風車設置位置、地熱は発電設備敷地とし、風力の出力は定格出力の合計値で判断するとしている。区域の考え方は今後、通知やガイドライン等で整理される。これら以外の事業種は、従来どおりの配慮書手続となる。 このほか、施行令別表の改正により、ダムの改築が対象事業に加わる。改築後の貯水面積が100ヘクタール以上で、かつ50ヘクタール以上増加するものを第一種事業、改築後75ヘクタール以上で、かつ37.5ヘクタール以上増加するもの(第一種事業を除く)を第二種事業とする。事業主体別の要件もあわせて定められている。
解説
建替配慮書は、位置が大きく変わらない建替えについて、事業実施想定区域に係る周囲の概況などの調査を不要とする一方、既存事業の環境影響の情報を踏まえて、新設する工作物の環境配慮の内容を記載させる仕組みである。要件に該当する事業者は、従来の配慮書に代えて作成する。要件を満たしても、配慮書手続や環境大臣意見の機会がなくなるわけではなく、方法書以降の手続も通常どおりである。政令が要件を定めたのは、火力・地熱・風力の3事業種にとどまる。環境省は意見募集への回答で、要件の数値は建替えの実績や法の軽微変更要件を参考に定めており、今後の技術進展等に応じて見直されるべきものとしている。今回は閣議決定の段階であり、個別の事業への適用は、既存工作物が設置されている区域の考え方を含め、今後示される通知やガイドライン等を確認する必要がある。
