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欧州連合 (EU)circular移行・猶予期間中 (Transitional)
所属する規制体系 / System:

EU 包装・包装廃棄物規則 (PPWR)

規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE

2026年8月12日適用開始(PFAS等有害物質制限開始)

施行時期: 2026年8月12日適用開始(PFAS等有害物質制限開始)

規制の概要

EUの「包装および包装廃棄物規則(PPWR:Packaging and Packaging Waste Regulation)」は、循環経済の実現に向けてEU市場で流通するすべての包装材に適用される新しい包括的な規制です。2025年2月11日に正式に発効し、2026年8月12日から段階的に本格適用が開始されます。

従来の指令(Directive)とは異なり、加盟国ごとの国内法への置き換えを必要とせず、EU全域で統一された法的拘束力を持つ規則(Regulation)として直接適用されます。これにより、EU市場へ製品を出荷するあらゆる企業(包装資材メーカーのみならず、製品を包装して輸出する自動車、エレクトロニクス、消費財などの製造業者、輸入業者、オンライン事業者など)は、包装廃棄物の削減、包装の最小化(過剰包装の禁止)、再利用・リサイクルの義務化、そして包装適合性評価と適合宣言(Declaration of Conformity)の実施が厳格に求められます。

PPWRは、従来の包装・包装廃棄物指令(PPWD:Directive 94/62/EC)を全面的に見直し、EU域内で直接適用される規則(Regulation)として制定された制度です。PPWDは1994年に採択され、EU加盟国における容器包装廃棄物の削減・再利用・リサイクルを体系的に促進する歴史的な環境指令として、世界中の容器包装EPR(生産者責任)制度の基礎となりました。2015年・2018年のサーキュラーエコノミーパッケージによる段階的改正を経て、各加盟国による制度運用のばらつきを解消するため、EU全域で統一されたルールへ移行し、包装の削減、再使用(Reuse)、リサイクル可能設計、再生材利用の義務化などを一層強化しています。

施行スケジュール・年表

  • 1994年12月: 初代「包装・包装廃棄物指令(94/62/EC)」が正式採択。EU全体での包装廃棄物管理の基盤を構築。
  • 2004年: 改正指令が発効。素材別リサイクル目標値の大幅引き上げ。
  • 2015年: サーキュラーエコノミーパッケージ提案。使い捨てプラスチックバッグ削減要件が追加。
  • 2018年5月: 改正指令(EU)2018/852採択。2025年・2030年の包装リサイクル率目標を設定。
  • 2025年2月11日: 欧州PPWR規則の公式発効。
  • 2026年8月12日: 適用開始。食品接触包装にPFAS(有機フッ素化合物)の濃度上限(対象PFAS個別 25ppb、対象PFAS合計 250ppb、ポリマーPFASを含むPFAS全体 50ppm。第5条第5項)が適用されるほか、包装の適合性評価(第38条)とEU適合宣言(第39条)の手続も適用される。
  • 2030年1月: 包装廃棄物発生量を2018年比で5%削減する義務。すべての包装材における最低リサイクル容易性基準(グレードA〜C適合)の義務化。プラスチック包装における再生材(ポストコンシューマーリサイクル素材)の最低含有率目標の適用開始。
  • 2040年1月: 包装廃棄物発生量を2018年比で15%削減する長期目標の完全履行。
  • 関連詳細トピック

    EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)における包装最小化基準・空隙率上限・過剰包装禁止規定

    本カードは、EU包装・包装廃棄物規則(規則(EU)2025/40、PPWR)第10条(包装の最小化)および第24条(過剰包装に関する義務)が定める「包装の重量・容積の最小化義務」「空隙率(エンプティスペース比率)の上限規制」「過剰包装の禁止」に関する具体的な運用実務に焦点を当てる。 EU市場に流通する包装は、2030年1月1日までに、機能の確保に必要な最小限まで重量・容積を減らした設計とすることが製造者・輸入者に義務付けられる(第10条第1項)。二重壁構造や偽底(false bottom)、不必要な追加層など、体積を人為的に嵩増しする設計手法は原則として禁止される。集合包装・輸送包装・eコマース包装に製品を詰める事業者は、空隙率(エンプティスペース比率)を最大50%とすることが求められる。適用は2030年1月1日、または空隙率の算定方法を定める実施法令の発効から3年後の遅い方からとなる(第24条第1項。実施法令は2028年2月12日までに採択予定)。欧州標準化機関は、包装形態・材料区分ごとの具体的な重量・容積・厚みの上限基準(標準)を今後策定する。

    EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)における廃棄物削減目標・使い捨て包装禁止品目・デポジット回収制度

    本カードは、PPWR第43条・附属書V等が定める「加盟国レベルでの一人当たり包装廃棄物削減目標」「特定用途における使い捨てプラスチック包装の販売禁止」「使い捨て飲料容器のデポジット・リターン制度(DRS)」に関する具体的な運用実務に焦点を当てる。 各加盟国は2018年比で、2030年までに一人当たり包装廃棄物発生量を5%、2035年までに10%、2040年までに15%削減する法的義務を負う。加えて、附属書Vに列挙された包装(HORECA(ホテル・レストラン・カフェ)の調味料・砂糖・クリーマー等の小分け用の使い捨てプラスチック包装、1.5kg未満の未加工青果物の使い捨てプラスチック包装、複数商品を束ねる使い捨てプラスチックの集合包装(シュリンクラップ等)、宿泊施設の個別予約向けの使い捨ての化粧品・衛生用品・洗面用品の包装(素材を問わない)など)は、2030年1月1日以降EU市場に出すことができない(第25条第1項)。さらに加盟国は、容量3リットル以下の使い捨てプラスチック・金属製飲料容器について、2029年1月1日までに90%以上の分別回収を確保する義務を負い、そのためにデポジット・リターン制度を設ける(第50条第1項・第2項)。2026年の分別回収率が80%以上で、2028年1月1日までに免除を申請し実施計画を提出した加盟国は、制度の設置義務を免除されうる(同条第5項)。

    EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)におけるリサイクル適性グレード制度・再生材含有率・再利用目標

    本カードは、PPWR第6条・第7条・第29条が定める「リサイクル適性パフォーマンスグレード(A〜C)制度」「プラスチック包装への再生材含有率(リサイクルコンテント)義務」「飲料・輸送・HORECA分野の再利用(リユース)目標」に関する具体的な運用実務に焦点を当てる。 2030年1月1日(またはリサイクル適性の基準を定める委任法令の発効から24か月後の遅い方)以降、EU市場に流通する全ての包装は「材料リサイクルのための設計(Design for Recycling)」基準を満たし、欧州委員会が策定するリサイクル適性グレードA〜Cのいずれかに該当することが義務付けられる(第6条第3項。2038年からはA〜Bのみ)。2035年1月1日(大規模リサイクルの評価方法を定める実施法令の発効から5年後のほうが遅ければその時点)からは、理論上リサイクル可能であるだけでなく、実際にEU域内の分別収集・選別・リサイクルインフラを通じて相当量が処理される「大規模リサイクル(Recycled at Scale)」基準も追加適用される。プラスチック包装については、2030年1月1日(または算定方法を定める実施法令の発効から3年後の遅い方)から、接触感受性PET包装30%、PET以外の接触感受性包装10%、使い捨てプラスチック飲料ボトル30%、その他のプラスチック包装35%の再生材(使用済み消費者由来プラスチック)含有率が義務化され、2040年にはそれぞれ50%・25%・65%・65%に引き上げられる(第7条)。再使用については、2030年1月1日から、飲料を消費者に販売する最終販売者は製品の10%以上を、輸送包装を使う事業者は輸送包装の40%以上を、リユースシステム内の再使用可能包装とすることが義務付けられる。2040年については、それぞれ40%・70%を努力目標としている(第29条)。

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    企業への影響・実務対応

    EU向け輸出製造企業全般(包装資材メーカーに限らず、製品を包装してEUへ出荷するすべての企業)、食品・飲料・化粧品メーカー、物流・サプライチェーン管理部門、ECサイト・オンライン販売事業体が対象となります。2026年8月12日の適用開始以降、製造者は包装を市場に出す前に適合性評価を行い、EU適合宣言を作成する必要があります(第15条・第39条)。適合宣言が作成されていない状態が続く場合、加盟国は当該包装の市場流通を禁止するか、回収・撤去を求めます(第62条)。

    2026年8月12日から食品接触包装にPFASの濃度上限が適用されるため、耐水・耐油コーティング等に含まれるPFASの濃度が上限未満であることを示す試験結果や技術文書が重要になります。また、包装材(インク、ダンボール、プラスチック袋等)に含まれる鉛・カドミウム・水銀・六価クロムの4大重金属の合計濃度を100ppm以下に制限する要件(PPWDから継承)も引き続き適用されます。

    輸送用パレット、コンテナ、緩衝材などのリユース化や回収システムの設計が求められ、物流パートナーとの新たな共同回収体制の構築が必要です。輸出用ダンボール・パレット・印刷インクの重金属100ppm以下保証書をサプライチェーン全体から回収・保管するとともに、欧州各国のリサイクル回収組織(ドイツのLUCID、フランスのCiteo等)へのEPR登記、包装資材出荷重量の報告・拠出金支払い事務が求められます。

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    公式一次情報・関連リンク

    🕐Last source review: 2026-06-27

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