【規制動向】EU、車両循環・廃車管理規則を正式採択 ― 設計からリサイクルまでライフサイクル要件を強化
本規則の重要な点は、単なる「廃車のリサイクル率向上」ではなく、車両の設計段階からライフサイクル全体の循環性を組み込むよう義務付けている点にある。2025年12月の政治的合意から2026年6月の正式採択を経て、2028年9月の適用開始までに約2年の準備期間が設けられており、自動車メーカーにとっては設計変更・サプライチェーン再構築を計画的に進める猶予期間と捉えるべきである。他のEU環境規制と同様、「合意」「採択」「発効」「適用」という各段階を区別して進捗を追う必要がある。
関連する規制情報
EU 使用済自動車規則(ELV)
本規制は、EU域内における自動車の設計、製造、使用後回収、解体、リサイクルまでを一体的に管理する循環型製品規制(規則案)です。従来の廃車処理指令から、設計段階の規制強化と資源循環を義務付ける規則(Regulation)へと移行し、車両のライフサイクル全体(設計・材料・回収・再資源化)にわたる資源効率向上と環境負荷低減を規定する、自動車の出口側サプライチェーン統合ハブとして機能します。 制度は主に3つの要件で構成されています。車両設計段階における材料分離設計、解体・分解容易性、再使用・再資源化前提の設計、新車におけるリサイクル材(特にプラスチック)の最低使用比率などを定める循環型設計とリサイクル性要件、使用済み車両の製造業者(OEM)による無料回収義務や認定解体業者(ATF)の認定・インフラ要件、解体時の重要部品のトレーサビリティ管理を定める回収・解体・処理システム、そして自動車用途における有害化学物質(鉛、カドミウム、水銀、六価クロム等)の制限および代替材料設計をREACH規則等と接続・統合管理する物質制約インターフェースです。
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