【規制動向】米下院、Californiaの船舶停泊時排出規制の無効化決議を可決 ― 港湾・海運で再び問われる「連邦・州」の規制権限
California独自の環境規制とEPAの連邦承認、それに対する議会によるCRA無効化決議という構図は、米国における連邦・州間の規制権限の緊張関係を鮮明に示しています。港湾・海運インフラにおいては、船舶側と陸上ターミナル側の双方で巨額の排出削減設備投資や運用体制の整備が進んでいるため、規制フレームワークの司法・議会を巡る不確実性は、西海岸港湾を利用するグローバルサプライチェーン全体のコンプライアンス戦略に直結します。
関連する規制情報
米国 カリフォルニア州法・州レベル規制分野
カリフォルニア州は、環境およびサプライチェーン規制において全米で最も厳格な水準にあり、EUのような包括的な指令・規則型ではなく、特定の政策目標ごとに個別州法が並立する「政策クラスター型」の規制体系を採用しています。気候情報開示(SB253・SB261)、有害物質警告表示(プロポジション65)、PFAS・化学物質個別制限、包装・循環経済(SB54)、マイクロプラスチック対策の5つの主要クラスターから構成されています。 プロポジション65は1986年の住民投票により制定され、発がん性・生殖毒性物質を含む製品への警告表示を義務付ける、米国で最も長い歴史を持つ州レベル化学物質規制です。気候開示クラスターでは、2023年にサプライチェーン全体のScope1〜3排出量開示を義務付けるSB253と、気候関連財務リスク開示を義務付けるSB261が成立しました。両法は訴訟の影響を受けており、SB253については2026年8月10日を最初の報告期限として州当局が実施を継続する方針を明確にしている一方、SB261の執行は第9巡回区控訴裁判所での審理を理由に一時停止されています。包装・循環経済クラスターでは、拡大生産者責任(EPR)とプラスチック包装削減を義務付けるSB54が2022年に成立しています。これらカリフォルニア州の環境規制群を一体的に理解するための上位レベル(Level1)のRegulatory Systemとして位置付けられています。
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