米国 カリフォルニア州 自発的炭素市場開示法(AB 1305):連邦規制後退下での州法先行のモデルケース
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2025年1月開示義務本格適用(制定時原文のまま運用中)
規制の概要
カリフォルニア州の自発的炭素市場開示法(AB1305、Voluntary Carbon Market Disclosures Act)は、2023年10月に成立し、SB253・SB261と共に「カリフォルニア気候アカウンタビリティ・パッケージ」を構成する第3の法律である。SB253・SB261とは異なり売上高基準による適用除外がなく、カリフォルニア州内で自発的炭素オフセット(VCO)を販売・購入・使用する事業者、およびネットゼロ・カーボンニュートラル等の気候関連主張を行う事業者を幅広く対象とする。
AB1305は2024年1月1日に施行されたが、施行日を巡る技術的な曖昧さがあり、法案提案者は2025年1月1日が実質的な施行日であるとの見解を議会に書面で伝えている。2024年会期中に規則の明確化・執行延期(2025年7月1日まで)を狙ったクリーンアップ法案(AB2331)が提出されたが、上院を通過したものの会期終了までに最終可決に至らず廃案となった。その後の会期でも同種の改正法案は成立しておらず、2026年8月時点でAB1305は制定時の原文のまま運用されている(KPMGの2026年3月付ガイドでも「制定以来、追加の規則制定なし」と確認されている)。
違反には1日あたり2,500ドル、違反ごとに最大50万ドルの罰則が科される。開示は年次更新が必要である。SEC気候開示規則が2026年に廃止提案され、連邦レベルの気候・環境表示規制が後退する中、AB1305はFTCのGreen Guides改訂停滞とも重なる形で、州法が連邦の空白を埋める代表的な事例として位置づけられる。
施行スケジュール・年表
2023年10月7日:ギャビン・ニューサム知事がAB 1305(自発的炭素市場開示法)に署名・成立
2024年1月1日:法律施行(法案提案者は2025年1月1日を実質施行日とする意向書簡を提出)
2024年8月:執行延期および規則明確化を目指したクリーンアップ法案(AB 2331)が会期終了に伴い廃案となる
2025年1月1日:年次開示義務の実質的適用および民事罰の適用開始
2026年3月:KPMG等が「制定以来追加の規則制定なく原文のまま運用中」と確認
現在(2026年8月時点):連邦SEC気候規則の廃止提案やFTCグリーンガイド改訂停滞の中、州法として先行運用が継続中
企業への影響・実務対応
カリフォルニア州内で事業を行う、または同州に製品・サービスを提供する企業は、売上規模に関わらず、自発的炭素オフセット(VCO)の購入・利用や「ネットゼロ」「カーボンニュートラル」等の環境主張を行う場合、ウェブサイト上で算定根拠・プロジェクト詳細・検証状況を年次で開示・更新しなければならない。違反時には1日最大2,500ドル(合計最大50万ドル)の民事罰が科される。
関連の規制ニュース
現在、この規制に関連するニュース記事はありません。
