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EU発表日: 2026/6/11
【規制動向】EU理事会と欧州議会、ETS2の市場安定化予備枠(MSR)強化で暫定合意 ― 価格高騰時の介入能力を拡大
配信ソース:European Commission (EC) / 欧州委員会
EU理事会と欧州議会は2026年6月11日、建物・道路輸送などを対象とするETS2の市場安定化予備枠(MSR)を強化する改正について暫定合意しました。合意では、炭素価格が2020年価格でCO₂換算1トン当たり45ユーロを超えた場合に放出される排出枠を2,000万から4,000万へ倍増するほか、MSRの存続期間も2030年以降へ延長します。
なお、6月11日時点では「暫定合意」であり、最終的な法的成立とは区別する必要があります。
Editor's View
ETS2は2028年の本格開始に向けて制度設計が進んでおり、MSRは排出枠価格の急激な変動に対応する重要な仕組みです。建物・道路輸送などの燃料コストに影響する炭素価格について、企業は排出枠価格だけでなく市場安定化メカニズムも含めて制度動向を追う必要があり、「ETS2が始まる」という大枠だけでなく、価格形成を支えるMSRの設計まで見ることで企業へのコスト影響を理解しやすくなります。
※ 本ニュースは外部ソース(European Commission (EC) / 欧州委員会)の公式公開情報に基づき、実務向けに分析・整理されたものです。
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EUの域内排出量取引制度(EU ETS:Emissions Trading System)は、欧州の気候変動対策における中核的な柱であり、温室効果ガス(GHG)排出量を最も費用対効果の高い方法で削減するための世界最大のキャップ・アンド・トレード型炭素市場です。 「Fit for 55」パッケージおよび欧州グリーンディールに基づき、2030年までにETS対象セクターからの排出量を2005年比で62%削減することを目指しています。 EU ETSは、発電所、鉄鋼やセメントなどの大規模なエネルギー集約型産業、欧州域内の航空セクター、そして2024年から対象となった海運セクターに適用されます。管轄される施設全体の排出量上限(キャップ)が毎年徐々に引き下げられ、企業は排出許容量である「排出枠(Allowances)」をオークションや無償割当で取得し、過不足分を市場で自由に取引(トレード)します。 特に、国境炭素調整措置(CBAM)と表裏一体の法体系として設計されており、国際サプライチェーン全体の脱炭素化を推進する最も強力な経済的規制です。
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