【規制動向】EU、データセンター向け共通レーティング制度を採択 発効は精査期間後
今回の動きは、EUがデータセンターを単なるデジタルインフラではなく、エネルギー・水・電力系統・廃熱利用などの環境負荷を伴う産業インフラとして捉え、その性能を共通指標で可視化する仕組みを整えた段階を示す。ただし、採択された規則はCommission Delegated Regulationという性質上、欧州議会・理事会が異議を申し立てなければ発効するという手続きの途上にあり、現時点でデータセンター事業者に新たな具体的義務が生じているわけではない。事業者にとっては、2027年8月に予定される電子ラベルの自動発行に向けて、既存の報告義務の下で提出しているデータの精度を見直す実務的な意味合いが生じ得る。さらに同日開始された最低性能基準の検討は、レーティング制度とは別の、より将来的な義務化の芽であり、両者を混同せず別トラックとして追跡することが重要である。
関連する規制情報
EU エネルギー効率指令 (EED)改正2023
EUエネルギー効率指令(EED)改正版(EU 2023/1791)は、2023年10月10日に発効した「Fit for 55」パッケージの中核的法令である。2030年までに最終エネルギー消費量を2020年参照シナリオ比で11.7%削減するEU全体の法的拘束力ある目標を設定した。具体的には、2030年の一次エネルギー消費量を992.5Mtoe以下、最終エネルギー消費量を763Mtoe以下に抑える。「エネルギー効率第一原則」が法的拘束力を持つ原則として導入され、加盟国はエネルギー・非エネルギー分野の全ての主要な政策・投資決定においてエネルギー効率を考慮することが義務付けられた。年間省エネ義務率は段階的に引き上げられ、2024-25年は1.3%、2026-27年は1.5%、2028-30年は1.9%となる。公共セクターには年間1.9%のエネルギー消費削減と、全行政レベルでの年間3%の建築物改修義務が課される。データセンターのエネルギー性能モニタリング、地方自治体の暖冷房計画策定等の新要件も含まれる。加盟国は2025年5月11日までに国内法化が求められた。
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