中国 全国炭素排出権取引市場(全国炭素市場 / 中国ETS)
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2021年7月16日
規制の概要
全国炭素排出権取引市場(中国ETS)は、中国の「双炭(ダブルカーボン)」目標達成に向けた中核的な政策手段として、2021年7月16日に正式にオンライン取引が開始された世界最大の炭素市場です。電力セクターの約2,225社を対象としてスタートし、無償配分を基本としながら段階的に整備されてきました。EUのCBAM(炭素国境調整措置)が本格稼働する2026年を見据え、現在対象業界を鉄鋼、セメント、アルミニウムといった高排出製品製造業へと急速に拡大する「フェーズ2」が進められており、現地進出企業およびグローバル調達網の脱炭素化の主軸となっています。
施行スケジュール・年表
2021年2月1日:「炭素排出権取引管理辦法(試行)」施行(法的枠組みの構築)。
2021年7月16日:全国炭素排出権取引市場のオンライン取引が正式開始(取引開始価格48元/トン)。
2021年12月31日:第1次履行サイクル(2019-2020年の排出分)の完了。
2023年12月31日:第2次履行サイクル(2021-2022年の排出分)の完了。
2024年1月:中国国家自発的排出削減量(CCER)市場の取引再開。
2024年5月1日:「炭素排出権取引管理暫定条例」施行(規制の法制化と罰則強化)。
2024年〜2025年:鉄鋼、セメント、電解アルミ産業のデータ報告義務化と試験運用(プレステージ)開始。
2026年(予定):鉄鋼、セメント、電解アルミの3セクターを中国ETSの排出枠管理(取引・履行義務)へ完全統合し本格課税へ対抗。
企業への影響・実務対応
中国現地で発電事業や製造業を展開する日本企業(またはその合弁企業)は、今後の適用セクター拡大(特に鉄鋼、セメント、非鉄、化学等)に伴い、直接的な排出枠購入コストの発生や、厳格な炭素排出データの測定・報告(MRV)義務に直面する。また、サプライチェーンの脱炭素化が急速に求められる中、中国製原材料・部品の炭素フットプリント管理の強化が必要となる。CCER(排出削減量)を活用したクレジット購入や、現地での再エネ調達(緑電・緑証の購入)を通じた炭素コストの相殺戦略の検討が不可欠である。
公式一次情報・関連リンク
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