EU CSDDD 人権・環境デュー・ディリジェンス実施プロセスおよびバリューチェーン展開要件
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2024年7月25日施行(改正後の国内法整備措置は2029年7月26日から適用)
規制の概要
本カードは、EU 企業サステナビリティ・デュー・ディリジェンス指令(CSDDD: Directive (EU) 2024/1760)の核心をなす「人権および環境デュー・ディリジェンス(DD)プロセスの具体的実施要件」に特化した解説エントリーです。
CSDDDは、経済協力開発機構(OECD)の「責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンス・ガイドライン」が定める6段階プロセスを法的義務として体系化しています。適用企業は、自社の直接の事業活動のみならず、子会社および上流(原材料調達・製造)から下流(輸送・保管)に至る「活動の連鎖(Chain of Activities)」全体において、人権侵害(児童労働、不当労働、賃金不払い等)や環境破壊(不法排水、有害物質放出、森林破壊等)の負の影響を特定し、優先順位付けと防止・是正措置を講じなければなりません。また、苦情処理メカニズムの設置が求められます。負の影響の特定・評価にあたっては、独立した報告書や業界・マルチステークホルダーのイニシアチブなどを活用できます。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
CSDDD適用企業は、サステナビリティ方針の策定から負の影響の特定・評価、防止・是正計画(CAP: Corrective Action Plan)の策定、有効性モニタリング、苦情処理窓口の運営、および情報開示に至るガバナンス体制と6段階のデュー・ディリジェンス運用を確立する必要があります。直接および間接のサプライヤーに対しては、人権・環境基準の遵守を求めるサプライチェーン行動規範や契約条項の適用を進めることになります。欧州委員会は、任意のモデル契約条項に関するガイダンスを2027年7月26日までに示す予定です。第三者検証や契約条項を利用しても、国内法に基づく責任を問われる可能性は残ります。
一方で、CSDDDは大企業がサプライヤーに対して不当なコストや負担を一方的に転嫁することを禁止しており、中小・中堅サプライヤーに対する資金・技術・研修等の支援提供を大企業側に義務付けています。
