EU ETS 排出枠(EUA)オークション・市場取引ルールおよび海運・航空拡張要件
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2005年創設(2024年より海運セクター正式組み込み開始)
規制の概要
本カードは、EU域内排出量取引制度(EU ETS)における排出許容量「EUA(EU Allowance)」のオークション発行手続、二次市場取引(EEX・ICE等の取引所・OTC取引)ルール、ならびに海運(Maritime)および航空(Aviation)セクターへの適用拡大要件に特化した解説エントリーです。
EU ETSでは、原則としてEEX(欧州エネルギー取引所)を通じた一次オークションおよび流通市場での売買によってEUAが流通します。2024年1月より、EU域内港に寄港する5,000総トン(GT)以上の大型船舶(海運セクター)がETSの義務対象として正式に組み込まれ、域内航行排出量の100%、およびEU域外とEU港間の国際航行排出量の50%に対するEUAの購入・償還(Surrender)が順次義務付けられました。また、航空セクターにおいても、Corsia(国際航空カーボンオフセット)との整合を図りつつ、従来の無償割当が段階的に縮小され、オークション購入への完全移行が進められています。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
欧州航路を運航する海運会社、航空会社、およびエネルギー・産業事業者は、ECHA/EU登録簿口座(Union Registry Account)を開設し、年間の排出量算定・検証(MRV)結果に基づいて必要なEUAを市場から調達・償還する金融・法務実務を確立しなければなりません。海運におけるEUA購入義務は、船主(Shipowner)と運航会社(ISM管理者/チャーター業者)間の契約条項(BIMCO ETS条項等の炭素コストパススルー条項)に直結し、運賃やチャーターレートへ即座に転嫁されます。
また、毎年9月30日の償還期日までに必要なEUAを提出できなかった事業者には、不足1tCO2eあたり100ユーロ(インフレ連動)の過料ペナルティが課される上、翌年度への不足分の繰越償還義務、さらには悪質事業者に対する寄港禁止・寄港拒否措置が発動されるため、資金繰りや価格変動リスクヘッジを含めたEUAトレーディング戦略の構築が必須となります。
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