EU 医療機器規則(MDR)化学物質含有制限要件
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2021年5月26日完全適用(医療機器におけるCMR物質および内分泌攪乱物質の1000ppm制限)
規制の概要
EU医療機器規則(MDR:Medical Device Regulation (EU) 2017/745)は、EU内で流通する医療機器の安全性と性能を確保するための法的直適規則であり、2021年5月26日に完全適用されました。本規則は品質安全基準にとどまらず、医療機器の構成部材に含まれる化学物質の厳格な含有制限要件(付属書I第10.4項)を含んでおり、医療機器分野のメーカーにとってRoHS指令を超える有害物質管理基準となっています。
患者の体内に入る、液体の輸送・導入経路を構成する、または人体と直接接触する部材・パーツについては、発がん性・変異原性・生殖毒性物質(CMR、EU CLP規則のカテゴリー1Aまたは1Bに分類される物質)、および内分泌攪乱物質(ED、一部のフタル酸エステル系可塑剤等)の含有率が0.1 wt%(1,000 ppm)以下であることが義務付けられています。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
体内挿入型カテーテルや人工心肺用チューブ等、柔軟性の高いポリ塩化ビニル(PVC)医療用チューブで長年使用されてきたフタル酸エステル系可塑剤(DEHP)については、MDRの1,000ppm基準をクリアするため、フタル酸フリー(TOTM等)やポリウレタン、シリコーン素材への切替開発が必要となっています。素材の変更は細胞毒性試験や生体適合性試験のやり直し(臨床適合再認証)を意味するため、多額の追加コストと数年単位の申請期間を要します。
部品メーカーは、医療機器メーカー(OEM顧客)からの厳しい含有調査(全成分開示要求)に対して、ネジ、パッキン、外装接着剤に至るまで0.1%以上の含有情報を保証・提供する実務体制の維持が求められます。医療機器専用のchemSHERPAやIMDSといった化学物質非含有調査スキームの構築も課題となっています。
公式一次情報・関連リンク
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