米国 カリフォルニア州 SB253規則制定の完了とCARB報告期限再設定の経緯
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2026年より段階的に開示義務化(Scope 1・2は2026年、Scope 3は2027年)
規制の概要
カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、SB253に基づく温室効果ガス排出量報告規則の制定作業を2026年中に進め、当初予定されていた報告期限を再設定する初期規則制定(Initial Rulemaking)を完了させた。SB253自体は、地裁段階で原告(米国商工会議所等)が主張していた州際通商条項違反・連邦法優越条項違反の主張が既に棄却されており、控訴審(第9巡回区、Chamber of Commerce v. Sanchez)で争われているのは、企業への強制的な排出量開示を求めることが憲法修正第1条(強制的言論の禁止)に違反するかという論点のみに絞られている。
2026年1月9日に口頭弁論が実施されたが、2026年8月時点でも判決は依然として係属中である。CARBは、規則制定が完了していない段階でもSB253の報告義務自体は法的に有効であり、順守期限に変更はないとの立場を繰り返し表明している。対象企業(カリフォルニア州で事業を行い世界全体の年間売上高が10億ドルを超える企業)は、Scope1・2排出量については2026年から、Scope3排出量については2027年からの年次開示義務を前提に準備を進める必要がある。
施行スケジュール・年表
2023年10月7日:ギャビン・ニューサム知事がSB 253(気候企業データ開示法)に署名し成立
2024年1月:米国商工会議所等が連邦地裁に提訴(違憲訴訟、Chamber of Commerce v. CARB)
2024年:地裁が州際通商条項違反・連邦法優越条項違反の主張を棄却(第1修正のみが争点として残る)
2025年11月18日:第9巡回区控訴裁判所がSB253への執行差止め請求を却下(SB253の法的有効性を維持)
2026年1月9日:第9巡回区控訴審(Chamber of Commerce v. Sanchez)の口頭弁論が実施される
2026年:CARBが初期規則制定(Initial Rulemaking)を完了させ、2026年の報告期限を再設定
現在(2026年8月時点):第9巡回区の控訴審判決は係属中であり、対象企業は2026年からのScope1・2開示および2027年からのScope3開示への対応準備を進めている
企業への影響・実務対応
カリフォルニア州で事業を行う世界売上高10億ドル超の企業(およびそのサプライチェーンに連なる企業)は、訴訟が係属中であってもSB253の執行が差し止められていないため、Scope1・2の算定・第三者保証の体制構築を遅延なく進める必要がある。特にScope3については2027年からの報告開始に向けて、サプライヤーからのデータ収集プロセスの確立と精度向上が求められる。
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