米国 カリフォルニア州 SB261執行差止めの継続とCARBによる代替報告期日の未確定状況
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
控訴審判決確定後に代替期日発表予定(当初2026年1月1日予定は執行停止)
規制の概要
第9巡回区控訴裁判所は2025年11月18日、SB261の執行を差止める仮処分を認めた一方、SB253に対する差止め請求は却下した。この差止めにより、SB261が当初予定していた2026年1月1日の初回報告期限は事実上執行不能となっている。CARBはこれを受け、SB261の2026年1月1日期限を執行しない方針を確認するとともに、控訴審判決が確定した後に代替の報告期日を発表するとしている。
差止めは、SB261自体を無効化するものではなく、あくまで控訴審判決が出るまでの間、執行を一時停止するものである。地裁段階では、原告(米国商工会議所等)が主張していた州際通商条項・連邦法優越条項違反の論点は既に棄却されており、控訴審で審理されているのは、気候関連財務リスクの開示義務付けが憲法修正第1条(強制的言論の禁止)に違反するかという論点のみである。2026年1月9日に口頭弁論が実施されたが、2026年8月時点で判決は依然として係属中である。
なお、2025年10月24日には、SB253・SB261双方を対象とする別の第1修正関連の訴訟(訴え)も新たに提起されており、法廷闘争は複数の訴訟が並行する状況になっている。差止めが解除された場合、報告義務は速やかに復活する見込みであるため、対象企業(カリフォルニア州で事業を行い世界全体の年間売上高が5億ドルを超える企業)は、差止め中であっても準備自体は継続することが推奨される。
施行スケジュール・年表
2023年10月7日:ギャビン・ニューサム知事がSB 261(気候関連財務リスク開示法)に署名・成立
2024年1月:米国商工会議所等の原告団が連邦地裁に提訴
2025年10月24日:SB253・SB261双方を対象とする新たな第1修正関連訴訟が提起される
2025年11月18日:第9巡回区控訴裁判所がSB261の執行差止め仮処分を決定(2026年1月1日期限の執行停止)
2026年1月9日:第9巡回区控訴審口頭弁論が実施される
2026年:CARBが2026年1月1日期限を執行しない方針を確認、代替期日は判決後に設定と発表
現在(2026年8月時点):控訴審判決は係属中であり、差止め解除後の迅速な報告義務復活に備えた準備が推奨されている
企業への影響・実務対応
カリフォルニア州で事業を行う世界年間売上高5億ドル以上の企業は、現在SB261の執行が差し止められているため直ちに罰則が科されるリスクはないが、差止め解除(控訴審判決確定)後は短期間で代替報告期限が設定される見込みである。TCFD/ISSB等のフレームワークに沿った気候ガバナンスおよび財務リスク分析体制は、差止め期間中も継続して整備しておくことが推奨される。
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