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アメリカ合衆国 (US)脱炭素・省エネ提案・審議段階 (Proposed)

米国 DOE家電・HVAC効率基準プログラムの手続き見直しと議会立法の動き

施行時期: 順次適用・調査中

規制の概要

米国エネルギー省(DOE)は、エネルギー政策・保全法(EPCA)に基づき、HVAC機器・給湯器・冷蔵設備等、約60品目の家庭用・業務用製品について省エネ基準を設定する権限を持つ。トランプ政権下では、この基準設定プロセス自体を見直す規制緩和が進められている。

2026年7月2日、DOEは「家庭用家電・設備の義務基準を恒久的に終了させる」ことを目的とする規則制定告知(NOPR)を公表した。DOEはこれを基準策定プロセスの「更新」と位置付けているが、実質的にはプログラムの恒久的な機能停止を意図している可能性があると報じられている。エネルギー長官クリス・ライト氏は、消費者の選択の自由を回復させることが目的だと説明している。

この規則案は、2020年(第一次トランプ政権期)に導入され、バイデン政権下の2021年・2024年に修正された「プロセス・ルール(Process Rule)」を再び2020年版に戻す内容を含む。2020年版プロセス・ルールでは、DOEが新基準を検討する条件として、30年間で少なくとも0.3クアドリリオンBTU(約880億kWh相当)のエネルギー削減、または既存基準比10%の改善が必要という高いハードルが設定されていた。パブリックコメント期間は2026年8月6日まで、基準策定手法に関する情報提供要請(RFI)は2026年9月8日まで受け付けられている。

議会レベルでも並行した動きがある。上院エネルギー天然資源委員長マイク・リー議員(共和党・ユタ州)は2026年8月、「Energy Efficiency Reform Act of 2026」を提出した。同法案は、DOEの家電基準プログラムの分析手法・審査頻度・製品分類・州基準への連邦専占(preemption)を包括的に見直す内容で、DOEに対し2026年7月7日公表のプロセス・ルール案を270日以内に最終化することを義務付け、期限内に最終化されない場合は自動的に2020年版プロセス・ルールに戻る規定も含む。同法案はまた、EPCAが定める6年ごとの基準見直し義務を撤廃する内容も盛り込んでいる。

なお、給湯器分野では、天然ガス瞬間式給湯器向けに新たなエネルギー効率カテゴリーを新設する動きもあり、これによりバイデン政権期の基準の適用対象から一部製品を除外する効果を持つ。

施行スケジュール・年表

2020年2月:第一次トランプ政権下でDOEが「プロセス・ルール(Process Rule)」の厳格化改定を公布

2026年7月2日:DOEがプロセス・ルールを2020年版に戻し、新規効率基準設定を事実上凍結するNOPRを公表

2026年8月6日:DOEプロセス・ルールNOPRのパブリックコメント締め切り

2026年8月:マイク・リー上院議員が「Energy Efficiency Reform Act of 2026」法案を議会提出

2026年9月8日:DOE基準算定手法(RFI)の情報提供受付締め切り

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企業への影響・実務対応

米国市場向けに空調機器・給湯器・家電製品を供給するメーカーは、連邦レベルでの次世代省エネ基準の強制引き上げリスクが後退し、従来型ガス給湯器や標準効率モデルの販売期間が延長される恩恵を受ける。一方で、連邦専占(preemption)の効力が弱まることで州独自の省エネ規制が乱立する「パッチワークリスク」への警戒が必要となる。

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