米国 TSCA・有害物質管理分野
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
1976年制定・2016年Lautenberg改正法・継続適用
規制の概要
有害物質規制法(TSCA:Toxic Substances Control Act)は、米国環境保護庁(EPA)の監督下で、商業目的で製造・輸入されるすべての化学物質を管理する連邦化学物質ガバナンス規制です。REACH規則の事前登録型アプローチとは異なり、EPAによるリスク評価駆動型の管理を特徴とします。
TSCAは1976年に連邦法として成立し、商業用化学物質の製造・使用・輸入に対する事前審査制度を確立しました。2016年6月には、フランク・R・ローテンバーグ21世紀化学物質安全法(LCSA)による大改正が行われ、EPAに既存化学物質の体系的な安全性評価と規制の権限が強化されました。2018年には、実際に流通する化学物質を選別する「アクティブ/インアクティブ」分類制度が導入され、2021年1月には永続性・生物蓄積性・毒性(PBT)物質5種の製造・輸入・成形品含有の原則禁止規則が公布されています。これら米国の化学物質リスク管理制度を一体的に理解するための上位レベル(Level1)のRegulatory Systemとして位置付けられています。
施行スケジュール・年表
1976年:TSCA成立、商業用化学物質の事前審査開始
1986年:アスベスト規制強化(TSCA Title II/AHERA)追加
2016年6月:フランク・R・ローテンバーグ21世紀化学物質安全法(LCSA)成立
2018年:既存化学物質の「アクティブ/インアクティブ」分類制度開始
2021年1月:PBT物質5種の製造・輸入・成形品含有の原則禁止規則公布
2023年〜:EPAによる優先評価対象物質(アスベスト・1-BP・TCE等)のリスク評価・規制加速
関連詳細トピック
企業への影響・実務対応
米国への輸出・輸入事業者は、2016年改正法以降、EPAによるSection 6規制(TCE禁止、塩化メチレン禁止、難燃剤PIP(3:1)等の制限)の対象拡大に直面しており、代替材のない部品や成形品(ゴム、プラスチック、電気製品等)の対米輸出差し止めリスクが顕在化しています。
また、成形品(部品)としての輸入者であっても、TSCA第8条(a)(7)に基づき、過去10年間(2011年以降)に遡った微量PFASの含有・輸入実績データのEPA報告が完全義務化されており、サプライチェーン全体での化学物質使用履歴の把握が実務上の課題となっています。
