EU CBAM 証書の購入・保有・清算制度 — 四半期保有義務(50%)と年次償却スケジュール
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2026年1月1日(確定期間開始)より組込排出量への課金対象化。証書の実際の購入開始は2027年2月1日から
規制の概要
本カードは、CBAM規則(規則(EU)2023/956、簡素化改正規則(EU)2025/2083)が定める「CBAM証書」の購入・保有・償却(清算)の制度運用実務に焦点を当てる。
CBAM証書は、EU ETS(排出量取引制度)の炭素価格と同水準の負担を、CBAM対象品目の輸入者に課すための仕組みである。2026年の確定期間開始と同時に組込排出量への課金対象化は始まるが、証書の実際の購入義務は簡素化改正により1年後ろ倒しされ、2027年2月1日から中央プラットフォームを通じて開始される。2027年からは、各四半期末に、その年の初めから輸入した品目の組込排出量の50%以上(当初は80%)に相当する証書を保有する必要があり、輸入事業者の資金繰り負担が緩和された。2027年に購入する証書(2026年輸入分に対応)の価格は、2026年のEU ETS証書価格の四半期平均値に基づいて算定され、それ以降は週次平均価格が適用される。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
輸入事業者は、2027年からの証書購入に備えた資金計画・キャッシュフロー管理体制を2026年のうちに整備する必要がある。四半期保有要件が50%に緩和されたことで即時の資金負担は軽減されたが、年次償却の集中時期(9月末)に向けた証書調達のタイミング管理は引き続き重要な実務課題となる。
証書価格がEU ETS価格に連動するため、EU ETS市場の価格変動リスクを織り込んだ調達計画・ヘッジ戦略の検討が必要になる。また、輸出国側で既に炭素価格を支払っている場合はCBAM証書必要数から控除される仕組みがあるため、サプライヤーの操業国における炭素価格制度の有無・支払い実績の把握も、証書調達コストの最適化に直結する。
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