EUDR 生産国・地域別リスク等級制度(Country Benchmarking)および簡素化要件
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2023年6月29日施行(欧州委員会による国別リスク分類の定期的更新)
規制の概要
本カードは、EU森林減少防止規則(EUDR: Regulation (EU) 2023/1115)第29条に基づく「国別ベンチマーキング制度(Country Benchmarking System)」の構造、リスク分類基準、およびそれに連動する加盟国当局のサンプリング検査率・簡素化デューデリジェンス要件に特化した解説エントリーです。
欧州委員会は、客観的かつ透明性の高い科学的評価に基づき、世界各国の国または特定の地域を「低リスク(Low Risk)」、「標準リスク(Standard Risk)」、「高リスク(High Risk)」の3つのリスク等級に分類・公表します。評価軸には、森林破壊・森林劣化の発生率、農業拡大の傾向、国連・EUの制約措置、先住民族の権利保護状況、および国連気候変動枠組条約への遵守状況などが含まれます。輸入製品の生産地が「低リスク」国に指定された場合、事業者はデューデリジェンスの第2・第3ステップ(リスク評価およびリスク低減措置)の義務が免除される「簡素化デューデリジェンス(Simplified Due Diligence)」を適用することが可能となります。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
調達先国・地域が「低リスク」に分類された場合、事業者は地理情報の収集およびDDSの提出義務自体は継続するものの、複雑なリスク評価書やリスク低減措置のドキュメント作成が免除され、実務上の管理コストを大幅に削減できます。一方で、「高リスク」に指定された国・地域から調達を行う場合、加盟国管轄当局による通関時および市場監視でのサンプリング実地検査率が最低9%(標準リスク3%、低リスク1%)へと急増し、コンテナの通関遅延や厳格な現地監査リスクが高まります。
したがって、企業は欧州委員会が公表するベンチマーキングリストの最新動向を常時追跡し、高リスク国からの調達比率を抑制・最適化するとともに、調達先国がリスク引き上げ改定された場合でも即座に標準・厳格デューデリジェンスへ切り替えられる柔軟なリスク管理規程をあらかじめ策定しておくことが求められます。
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