EUDR 地理位置情報(GPS/ポリゴン)収集基準およびEU TRACES NTシステム登録要件
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2023年6月29日施行(2026年12月30日より大企業順次適用予定)
規制の概要
本カードは、EU森林減少防止規則(EUDR: Regulation (EU) 2023/1115)第9条に規定された「地理位置情報(Geolocation / 緯度経度座標)」の収集・検証要件および「EU情報システム(TRACES NT)」へのデータ登録実務に特化した解説エントリーです。
EUDRは、対象製品の原材料が生産されたすべての農地・森林区画(Plots of land)の正確な地理位置情報を収集・追跡することを法的要件として義務付けています。面積が4ヘクタール以下の比較的小規模な農地については単一の緯度経度ポイント(少なくとも小数点以下6位までの地理座標)の取得が認められますが、4ヘクタールを超える農地・森林区画に対しては、その区画の境界を正確に囲む多角形データ(ポリゴン座標: Polygon Data)の収集が不可欠です。事業者は収集した位置情報および生産時期データを、欧州委員会が運用するTRACES NT(Trade Control and Expert System New Technologies)ベースのEUDRデジタルポータルへ登録・送信しなければなりません。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
小規模農家(Smallholders)が多数介在するグローバルサプライチェーン(カカオ、コーヒー、パーム油、天然ゴム等)を扱う企業は、一次生産地に遡って数千から数十万件規模の農地境界ポリゴンデータを精緻に取得・集約するデータパイプラインを確立する必要があります。衛星モニタリングツール(Copernicus等の欧州宇宙機関衛星データ)を活用し、取得したポリゴン座標上で2020年12月31日以降に森林破壊や森林劣化が発生していないかを重ね合わせ分析(オーバーレイ解析)する技術的プロセスが求められます。
また、自社の基幹システム(ERPやSCMシステム)とEUのTRACES NTポータルをAPI経由で直接連携させ、大容量の地理空間データ(GeoJSONやKMLフォーマット)および生産日データを遅滞なく送信・検証するデジタルインフラ整備が必須です。位置座標の欠落や精度の不備、あるいは誤った緯度経度データでの提出は通関時のシステム自動弾きや重大な適合違反につながるため、サプライヤー教育とデータバリデーションの徹底が不可欠となります。
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