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欧州連合 (EU)environment施行中 (Active)
所属する規制体系 / System:

EU 自然資本・生物多様性分野

規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE

EU階層・直接適用/指令体系

施行時期: EU階層・直接適用/指令体系

規制の概要

EUの自然資本・生物多様性分野は、コモディティのサプライチェーンにおける森林減少への関与を規制する「EU森林減少防止規則(EUDR)」と、劣化した生態系の回復を加盟国に義務付ける「自然再生法」を中核とする、自然資本の保全と回復を目指す分野です。

EUDRは、2010年制定の旧EU木材規則(EUTR)を前身として2023年6月に発効し、牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・ゴム・大豆・木材の7品目について森林減少への非関与を証明するデューデリジェンスを義務付けていますが、事業者の準備状況を理由に適用開始時期が繰り返し延期されており、現在は大企業・中堅企業が2026年12月末、零細・小規模事業者が2027年6月末とされています。自然再生法は2024年7月に成立し、加盟国に国別の生態系回復計画の策定を義務付けています。これらEUの自然資本保全法制を一体的に理解するための上位レベル(Level1)のRegulatory Systemとして位置付けられています。

施行スケジュール・年表

2010年:EU木材規則(EUTR)成立(EUDRの前身)

2020年:EU生物多様性戦略2030発表

2023年6月:EUDR(森林減少防止規則)発効

2024年7月:自然再生法成立

2024年8月:自然再生法施行

2024年12月:EUDR適用開始が1年延期(2025年12月末へ)

2025年12月:EUDR適用がさらに1年延期(大企業・中堅企業は2026年12月末、零細・小規模事業者は2027年6月末へ)

関連詳細トピック

EU 森林減少防止規則(EUDR)

EU森林減少防止規則(EUDR:Regulation (EU) 2023/1115)は、世界の森林破壊および森林劣化の抑制に寄与するため、対象となる特定コモディティが「森林破壊に関連していないこと(deforestation-free)」および「生産国の現地法に適合して生産されたこと」を精緻に追跡・証明(デューデリジェンス)しなければ、EU市場への投入またはEUからの輸出を原則禁止するサプライチェーンアクセス規制です。 制度は主に4つの要件で構成されています。事業者が製品のサプライチェーンにおいて森林破壊フリーであることを確かめる3ステップ(情報収集、リスク評価、リスク低減策)の監査スキームおよび地理情報(ジオロケーション・GPS座標)・生産日情報の追跡義務を定めるデューデリジェンス制度、牛肉・木材・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・ゴムの7大コモディティおよびそれらを原料とする派生製品(革製品、紙・段ボール、チョコレート等)を対象とする対象コモディティの範囲、国際貿易TRACESシステムを介した適合宣言書(DDS)の事前登録・通関手続きの連動・適合違反に対する高額な罰則(EU域内売上高の最低4%相当等)を定める市場監視・執行体制、そして実務インフラの整備状況や各国の反発を受け段階的な適用スケジュールが公式延期されてきた適用タイムラインです。なお、本規則は土地利用・林業関連の炭素吸収源管理政策(LULUCF)、梱包・バリューチェーンのトレーサビリティ設計(ESPR)、サプライチェーン脱炭素・環境デューデリジェンス(CBAM)とも連携しています。

EU 自然再生法

EU自然再生法(Nature Restoration Law:Regulation (EU) 2024/1991)は、EU域内における劣化が進んだ陸域、海域、沿岸、淡水、および都市などの全生態系を長期的かつ持続可能な方法で回復させ、生物多様性の損失を食い止めるとともに、EUの気候変動適応・緩和目標の達成を強力に支援するために制定された画期的な規則である。欧州グリーンディールおよび「2030年生物多様性戦略」の主要柱として、2024年6月17日にEU理事会によって最終承認され、同年7月29日に官報公布、8月18日に発効した。EU規模での自然回復について法的拘束力を持つ初めての包括的法律である。本規則は、加盟国に対して2030年までにEU全体の陸域および海域の少なくとも20%において自然再生措置を実施し、2050年までに回復が必要なすべての生態系に措置を拡大することを義務付けている。具体的には、森林、草原、湿地、河川などの劣化した特定の生息地について、2030年までに30%、2040年までに60%、2050年までに90%の割合で状態を改善させる。また、都市部における緑地および樹冠率の維持・拡大、ミツバチや蝶などの花粉媒介者の個体数減少の逆転、2030年までに少なくとも2万5,000キロメートルの河川を障壁のない自由流動的な状態に戻すことなどの個別目標が定められている。各加盟国は発効から2年以内に、具体的な施策を盛り込んだ「国別自然再生計画」を策定・提出することが義務付けられている。

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企業への影響・実務対応

牛肉・カカオ・コーヒー・パーム油・ゴム・大豆・木材およびその派生製品をEU市場に上市・輸出する企業は、EUDRに基づき、原材料の産地情報を含むデューデリジェンス手続きと、森林減少に関与していないことの証明が義務付けられます。適用開始時期が複数回延期されているものの、サプライチェーンのトレーサビリティ確保に向けた準備は前倒しで進めることが推奨されます。

また、自然再生法の施行により、加盟国は国内の劣化した生態系(湿地・河川・農地等)の回復計画策定が義務付けられており、農業・インフラ・不動産開発等、土地利用に関わる事業者は、将来的な土地利用規制の強化を見据えた事業計画の見直しが求められる可能性があります。

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