EU REACH規則における意図的添加マイクロプラスチックの制限
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2023年10月17日段階的適用開始(製品カテゴリーごとに2025年〜2035年にかけて順次禁止)
規制の概要
欧州化学物質庁(ECHA)の提案に基づき、欧州委員会はREACH規則(規則 (EC) No 1907/2006)の附属書XVIIを改正し、製品に意図的に添加された5mm未満のすべての有機・合成・固体高分子微粒子(マイクロプラスチック)の上市を原則禁止する制限規則(規則 (EU) 2023/2055)を採択しました。本規則は、海洋や陸上の生態系に流出して分解されないマイクロプラスチックの汚染を防ぐためのものです。対象は化粧品、洗剤、ワックス、接着剤、塗料、農薬、および人工芝の充填材など、非常に幅広い製品群に及び、製品中に重量比で0.01%以上の対象物質を意図的に配合することが制限されます。製品の用途や代替手段の開発状況に応じ、発効から最長12年間の段階的な移行・免除期間が設けられています。
施行スケジュール・年表
企業への影響・実務対応
欧州へ化粧品、日用品、塗料、接着剤、プラスチック成形原料を輸出しているメーカーは、製品に意図的に添加されているポリマー微粒子(PE、PP、PMMA、ナイロン等)を早急に特定し、規制外となる天然由来の生分解性ポリマーや無機素材(シリカ、セルロース等)へ変更する必要があります。処方設計のやり直しに伴う開発コストや代替素材の調達コストの増加は避けられません。
EU域内の輸入業者や欧州の顧客企業からは、含有率(0.01%の閾値未満か)、生分解性試験結果、溶解性試験結果などの客観的エビデンスの提出を求められます。chemSHERPA等の情報伝達ツールなどを活用し、一次・二次原材料メーカーと連携した厳格なデータ管理体制を構築する必要があります。移行期間終了後に規制対象マイクロプラスチックを含む製品をEU域内で上市・流通させた場合、法執行機関による製品リコール指令、製品の没収、巨額の罰金、および「環境汚染企業」としてのブランド価値毀損を被る甚大なリスクが存在します。
関連コンテンツ
公式一次情報・関連リンク
- 欧州化学物質庁 (ECHA) - REACH規則に基づく意図的添加マイクロプラスチック制限 (英語)
- 欧州委員会 - 環境と健康の保護:意図的添加マイクロプラスチック制限措置の採択プレスリリース (英語)
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