米国 インフレ抑制法(IRA) クリーンエネルギー税制優遇 ― One Big Beautiful Bill Actによる前倒し縮小
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
2023年1月1日より順次施行、2032年末まで継続
規制の概要
2022年8月に成立した米国インフレ抑制法(IRA)は、北米内でのクリーンエネルギー製造(EV、バッテリー、太陽光、風力、重要鉱物)を加速させるための税額控除群(Section 30Dクリーンビークル税額控除、Section 45X先進製造生産税額控除等)を規定していた。しかし2025年7月4日に成立した「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」により、多くのクリーンエネルギー税額控除が当初の想定(2032年まで存続)より大幅に前倒しで縮小・廃止された。特にSection 30D(クリーンビークル税額控除、最大7,500ドル)は2025年9月30日取得分をもって完全廃止された。Section 45X(先進製造税額控除)についても、風力タービン部品の税額控除が2027年以降適用除外となるなど、対象が縮小されている。一方、Section 45X自体(バッテリー・太陽光パネル等の製造に対する税額控除)は完全廃止には至っておらず、一定の範囲で存続している。
施行スケジュール・年表
2022年8月16日:バイデン大統領による署名・成立
2023年1月1日:EV税額控除(Section 30D)の新要件(北米最終組み立て要件等)の適用開始
2024年1月1日:懸念される外国の事業体(FEOC)からのバッテリー部品調達制限の発効
2025年7月4日:One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)成立、多数のクリーンエネルギー税額控除の前倒し縮小・廃止を規定
2025年9月30日:Section 30Dクリーンビークル税額控除、新車・中古車取得分ともに完全廃止(本来2032年まで存続予定だった)
2027年以降:Section 45X先進製造税額控除のうち、風力タービン部品が適用除外に
関連詳細トピック
企業への影響・実務対応
米国でEV・バッテリー・再生可能エネルギー機器を製造・販売してきた企業は、Section 30D税額控除の消滅により、EV購入者向けの価格優位性が失われ、需要動向への影響が懸念される。一方、Section 45X(製造税額控除)は限定的ながら存続しているため、バッテリー・太陽光パネル等の米国内製造拠点を持つ企業への恩恵は一部残っている。IRA関連の税制優遇を前提とした事業計画・投資判断を行っていた企業は、OBBBAによる制度変更を踏まえた再評価が必要である。
