日本 化学物質審査・管理分野(CSCL/PRTR/安衛法)
規制発動・施行時期 / ENFORCEMENT TIMELINE
化審法・化管法・安衛法等、改正各期段階適用
規制の概要
日本の化学物質審査・管理分野は、新規化学物質の上市前審査と既存化学物質の継続管理を行う「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」、事業者による化学物質の排出量・移動量の把握と情報伝達を求める「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法/PRTR制度)」、そして労働現場における化学物質の自律的なリスク管理を求める「労働安全衛生法(安衛法)」の3法から構成されています。
化審法は1973年のPCB汚染問題を契機に制定され、その後複数回の改正を経て、難分解性・高蓄積性・毒性を有する化学物質の製造・輸入規制を強化してきました。化管法は1999年に制定され、事業者による化学物質の排出・移動量の届出(PRTR制度)と、安全データシート(SDS)による情報伝達の仕組みを確立しています。安衛法は1972年に制定された労働災害防止の基本法であり、近年ではラベル表示・SDS交付対象物質を大幅に拡大した「化学物質の自律的管理」制度が導入されています。これら化学物質の上市前審査からサプライチェーン内の情報伝達、労働現場での管理までを一体的に理解するための上位レベルの規制体系(Regulatory System)として位置付けられています。
施行スケジュール・年表
1972年:労働安全衛生法(安衛法)制定
1973年:化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)制定
1999年:化管法(PRTR法)制定
2001年〜:化審法改正(動植物への影響を考慮した審査・規制の追加等)
2023年4月:安衛法に基づく化学物質の自律的管理制度(ラベル表示・SDS交付対象拡大)施行開始
関連詳細トピック
日本 資源有効利用促進法に基づくJ-Moss(電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示制度)
電気・電子機器7品目における指定6物質(鉛・水銀等)の含有表示規格(JIS C 0950)およびオレンジ色含有マーク表示要件(Level3)。
日本 化審法に基づく一般化学物質等の製造・輸入数量実績報告義務
化審法に基づく一般化学物質・優先評価化学物質等の前年度製造・輸入実績数量および用途の毎年度届出義務(Level3)。
日本 労働安全衛生法 皮膚等障害化学物質への接触防止義務化 (安衛法)
安衛法改正に伴う皮膚等障害化学物質(GHS区分1等)を取り扱う作業者への不浸透性保護具(手袋・保護衣)着用義務化(Level3)。
日本 化審法 デクロランプラスおよびUV-328の第一種特定化学物質指定規制
POPs条約決定に基づく難燃剤デクロランプラスおよび紫外線吸収剤UV-328の第一種特定化学物質指定および輸入禁止要件(Level3)。
日本 労働安全衛生法:化学物質自律的管理における濃度基準値設定(2025年・2026年適用拡大)
安衛法に基づく自律的化学物質管理における厚生労働大臣告示の濃度基準値(225物質〜順次拡大)以下への暴露抑止義務(Level3)。
日本 化学物質審査規制法(化審法)新規審査
新規化学物質の上市前事前審査および少量新規制度(Level3イベント)。
日本 化学物質審査規制法 (化審法) 第1種特定化学物質の追加
POPs条約対応等のための、第一種特定化学物質(製造・輸入制限)への新規追加(Level3イベント)。
日本 化審法に基づくPFOA関連物質の第一種特定化学物質への指定
PFOA関連物質の第一種特定化学物質指定、および調達禁止・適用除外期限措置(Level3イベント)。
日本 化審法におけるPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)の第一種特定化学物質指定
PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)の第一種特定化学物質指定追加(Level3イベント)。
日本 化学物質審査規制法(化審法)第二種特定化学物質の指定
第二種特定化学物質(累積性はないが環境残留・長期的影響のある物質)に対する数量届出・管理措置(Level3)。
日本 化学物質審査規制法(化審法)の監視化学物質指定
蓄積性などの評価が必要とされる「監視化学物質」に対する数量報告要件(Level3)。
日本 化学物質審査規制法 (化審法) 2024年改正
少量新規・低生産量新規制度の審査基準改定等を含む、2024年化審法改正(Level3)。
日本 PRTR法(対象物質改定・制度変更含む)
PRTR制度に基づく、指定化学物質の環境排出量・移動量の算出および毎年の国への届出義務(Level3)。
日本 化学物質管理促進法 (化管法) に基づくSDS・ラベルのJIS Z 7253改訂猶予期限対応
JIS Z 7253改訂に基づく、化学物質のSDS交付・ラベル表示の義務化と猶予期限対応(Level3イベント)。
日本 家庭用品安全法&業界NL自主規制:黄色顔料「ピグメントイエロー74 (PY74)」における特定芳香族アミン(o-アニシジン)の残留・副生制限
黄色顔料「PY74」等の残留特定芳香族アミンを対象とした、家庭用品法規制および業界NL自主規制要件(Level3)。
日本 労働安全衛生法(化学物質の自律的管理)
労働安全衛生法に基づく、事業者のリスクアセスメント実施および「化学物質の自律的管理」義務化制度(Level2/3)。
日本 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 (化審法) 第2種特定化学物質の規制
第二種特定化学物質の製造量・輸入量削減に向けた行政勧告・管理体制監査(Level3)。
日本 毒物及び劇物取締法(日本)
毒物及び劇物取締法に基づく、各種製品の含有物質指定および識別表示・保管管理義務(Level2)。
日本 化学物質審査規制法(化審法)優先評価化学物質の拡大
優先評価化学物質(将来的に人・環境への不合理な影響が懸念される物質)の追加・指定範囲の拡大(Level3イベント)。
日本 労働安全衛生法(安衛法)SDS交付・ラベル表示対象物質の段階的拡大
労働安全衛生法(安衛法)SDS交付・ラベル表示対象物質の段階的拡大。
企業への影響・実務対応
新規化学物質を製造・輸入する事業者は、化審法に基づく事前審査への対応に加え、特定化学物質に指定された物質については代替物質への切り替えや使用中止が求められます。半導体・フッ素樹脂加工・消火剤等、特定用途での化学物質使用を前提とする業種では、指定追加のたびに調達戦略の見直しが必要となります。
また、事業者は化管法に基づき対象化学物質の排出量・移動量の届出を行うとともに、安衛法の自律的管理制度のもとでラベル表示・SDS交付の対象拡大に対応する必要があります。取引先への情報伝達義務の拡大に伴い、混合物を含む化学製品全般でのSDS・ラベル表示の基準適合が、サプライチェーン全体の実務課題となっています。
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